朝陽の輝き
どこにつぶやいたらいいかわからなかった
でもどこかで言いたかった
――――――
先日、いつもの駅でピアスを失くした
落としたことに気がついたのは落とした直後だった
まだ耳にキャッチがついていたくらいだから
あまり動かないようにその場で足元を探した
耳を触ったり、髪をぐしゃぐしゃにかき上げてみたりして
周りの人の足元も怪しげに凝視した
その行動に気づいた女性が
「ピアス・・・ですよね?」と聞いてきた
自分の周りも探してくれていた
何気なく察してくれたその女性の気持ちがものすごく嬉しかった
・・・・・・・
大切なものを失くすとき、それは何かの終わりを感じる
ピアスはなぜかからだの一部な気がするし・・・
・・・・・・
以前同じことが異国の地でもあった
海辺を走っている時、ピアスを落としたことに気づき
見つかるはずもない砂浜を、長い時間探して歩いた
波にさらわれてしまったかもしれないと、泣けてきた
夕陽が落ちても見つからず、すべてをその地に置いて帰った
終わりを感じた瞬間だった
・・・・・・
先日も同じだと思った
でも今回は探すのを諦めたくなかった
長い時間をかけて、考えられるすべてを探して歩いた
かばんの中に偶然入っていたら、まだ縁はあるのではないか
案外、歩いた道を戻れば見つかるのではないか・・・と
もう遅い時間なのに、長い時間探し続けた
・・・・・・
結局見つからなかった
悲しくて家に着いてから、真っ暗な部屋で泣いた
わかっていたことだけど、改めて終わった気がしたから
いつもより独り言を言いながら声に出して泣いた
大切なものを本当に失ったことを実感していた
・・・・・・
いつの間にか、泣き疲れて眠っていた
・・・・・・
朝目が覚めて、泣き腫らした目が重く、夕べのことを思い出した
ここのところ朝陽は嫌いだった
また朝がくることも、陽が昇っても、気持ちが癒されてないことに気づくことも
・・・・・・
でもこの日は違った
その朝陽が床に落ちているピアスの石を照らしていた。
夕べあんなに探しても見つからず、帰って大泣きしたのに
泣きながら真っ暗な中、服を脱いだとき、どこからか落ちたのだと思う
・・・・・・
縁があったに違いない、少なくともこのピアスだけは・・・
もう大切なものを失う辛さをあじわいたくない
かたちあるものであっても、見ることすらできないものであっても
・・・・・・
少し朝陽が好きになった気がした
前を向いて歩いていこうと思った
自分を責めることをやめられるようになって
朝陽のような笑顔ができるようになったら
またいつかどこかで・・・